スタッフインタビュー
中田 健 / 部長(消化器外科)
昭和の時代には、お腹の手術はすべて大きな切開を行い、肉眼で臓器を確認しながら実施していました。平成になると、腹腔鏡手術が導入され、小さな切開でカメラの映像を見ながら手術が可能になりました。これにより出血量が減り、術後の痛みが軽減されましたが、直線的な鉗子操作の難しさや技術習得に時間がかかるという課題がありました。令和に入り、手術支援ロボットが開発・導入され、お腹の手術において大きな進化が見られました。
小さな切開で、肉眼の10倍に拡大された3D立体カメラ映像を見ながら、外科医の手の動きを正確に再現する鉗子を用いて手術ができるようになりました。視界が向上し、自由度の高い手術操作が可能となり、臓器や血管、リンパ管、神経を慎重に扱うことができるようになりました。手術支援ロボットを活用することで、手術の精度が上がり、術後の合併症のリスクを減らし、回復も早まることが期待されています。
私たちは近隣病院に先駆けて2018年にロボット支援下での直腸がん手術と前立腺がん手術を開始し、その後他の手術にも適用範囲を広げてきました。ロボット手術の症例数は増加し、現在では標準治療の一つとして位置付けられています。ダビンチXiの導入により、手術の正確性、緻密性、低侵襲性が向上し、根治性や機能温存、術後合併症の減少に寄与しています。市立東大阪医療センターではロボット手術専門医および指導医の育成を行い、院内でロボット手術を推進するだけでなく、近隣病院への技術指導も行っています。
2024年には2台目のダビンチXiが導入され、さらに多くの手術に対応し、ロボット手術センターを通じて各診療科間の連携を強化し、多くの患者さんに質の高いロボット手術を提供できるよう努めています。
現在、世界各国で多様な新規ロボットが開発・導入されています。例えば、単孔式手術に特化した手術支援ロボット、触覚技術を備えたロボット、AIナビゲーションシステムを搭載したロボットなどが挙げられます。これにより、手術の精度がさらに向上すると期待されます。また、患者一人ひとりの体質や病状に応じた手術を実現する個別化医療の推進が可能となります。加えて、通信システムの進歩によって、遠隔地にいる専門医がリアルタイムで手術を指導・支援できるようになり、医療サービスのアクセスが飛躍的に向上します。テクノロジーの進化と低コスト化により、手術支援ロボットは今後、医療現場でさらに普及することとなるでしょう。
あなたがこの手術を選択することで、最善のケアと治療を受けるための第一歩を踏み出します。ロボット支援手術は、その高い精度と安全性により、多くの患者さんにとって非常に効果的な治療方法となっています。手術を担当する私たち医療チームは、最新の技術を駆使してあなたの健康を守るために全力を尽くしますので、どうか安心してください。手術後の回復には時間がかかるかもしれませんが、焦らずゆっくりと体を休めてください。あなたの体と心を大切にしながら、健康への道を歩んでいきましょう。
どんな不安や疑問があっても、医療スタッフに遠慮なくご相談ください。あなたの健康を第一に考えた最良のサポートを提供します。手術を受けるにあたって、あなたが少しでも安心し、前向きな気持ちで臨むことができるように、心から応援しています。